干支と相性
前回は干支が行動エネルギーを司っているお話を書きましたが、今回は干支で相性について書いていきたいと思います。干支レースで一緒に行動したり、喧嘩をしたり、様々な関係性を見せてくれていたので、干支レースのお話を引用して考察していきます。
目次
子と丑
じゅうの診断では
勇者 直 と 勇者 粋
干支レースで、ネズミはウシの背中にこっそりと乗って、ゴール直前で神様の前にネズミが飛び出し、ネズミが1位になりました。ウシにしてみれば、自分の遅さを考慮し、前日から出発し、準備万端で勝ちえた1位の座を目の前で奪われたのです。ですが、ウシはネズミを怒らず、気持ちよく1位の座を譲ったそうです。ちょっとびっくりのエピソードですが、私なりの考察をするとウシにとって、前例のないことに挑戦するのは気が引けたのかもしれません。自分が一番にリーダーをやるより、ネズミがまずやっているところを見ておきたかったのではないでしょうか。ひょっとしたら、ネズミのリーダーの補佐役を買って出たくらいかもしれません。それくらいにウシは真面目な気質です。
この子と丑は支合の関係にあり、相性はとてもいいと言えるでしょう。じゅうの診断で表現すると勇者 直と勇者 粋の関係性です。お互いに周りを大切にすることを重んじて、リーダーとして引っ張っていくエネルギーを持っています。さすが干支のレースの1位と2位と言ったところです。ネズミの手柄を自分のものにしてしまう気質もこのレースの振る舞いが影響しているかもしれないと考えると、ウシ以外にはやらないほうがいいかもしれませんね。一番相性のいいウシだからこそ、干支レースでの振る舞いが許されたのだと考えると、ウシはネズミの補佐役としてピッタリなのかもしれませんね。
午と未
じゅうの診断では
魔法使 熱 と 魔法使 尽
干支レースの7位と8位のウマとヒツジ。干支のお話では二人で道草を食っていたとか。神様のおうちまでの道には相当美味しい草が生えていたのでしょうか。ウマは楽しいことに弱い傾向があり、いけないと思っていても自分の欲求に正直に行動してしまう気質です。そして、夢中になると周囲の声も聞こえなくなります。その傾向はヒツジにもあって、一度草を食べ始めると夢中で動かなくなる実際の羊と同じです。神様から言い渡されたレースをそっちのけで草に夢中になるなんて・・・ちょっと信じられませんね。それもそのはず、ウマは自分のやりたいことが大切なのです。神様よりも自分。ある意味気持ちのいい気質です。そして、ヒツジはウマについて行っていたので、自然と一緒に道草を食べることになったのでしょう。
午と未も支合の関係で、一番相性のいい関係です。じゅうの診断で言うと、魔法使 熱と魔法使 尽です。魔法使 熱の熱くてきつめの気質についていけるのが魔法使 尽です。というのも、魔法使 尽の方は自分がやりたいように準備して、後は去ってしまうので、そのあとの話は聞きません。何かと文句を言ってしまう魔法使 熱ですから、一緒にいると疲れてしまうこともあるのですが、尽の方は自分のやりたいことが終わった時点で興味を失っているので、聞いちゃいないのです。ある意味才能です。そして、その場のルールに準ずる傾向があるので、おかしなことを言われても、従ってしまいます。草食動物の羊のように抵抗せず、その場で粘り強く、自分の草を食べている。そんな粘り強いヒツジだからこそ、ウマとともに行動できたのでしょう。
辰と巳
じゅうの診断で言うと
忍者 純 と 武道家 技
干支レースでは5位と6位のタツとヘビ。タツは空想上の生き物で、空を飛んだり、火を吐いたり、自然界の常識を超えています。その進化前のようなヘビ。じゅうの診断だと忍者 純と武道家 技ですが、この2タイプの共通点は「天真爛漫」です。独特の価値観のせいか、急に行動し始める気質のせいか、他のタイプとは一味違った人間模様を見せます。本人はいたって真面目なのですが、周りがびっくりするような行動をするので、ちょっと変わり者として周りから見られたりすることもあるでしょう。では、なぜ、辰と巳は一緒に走ったのでしょう。これは私の想像ですが、タツの性質として、自分では決められないという気質が関係しているのでは思うのです。空想上の生き物で、周りと同調するために周りの意見を聞いて、周りを傷つけないようにしたいと考えているタツ。自分が本気を出して、空を飛べば1番になれたと思うのですが、1番になんて興味はなかったと思います。1番なんて荷が重いと考えるでしょう。ちょうど真ん中くらいでやった方がいいと、それが普通だと考えたのかもしれませんね。そのため、自分に容姿も似ていて、あまり他人に干渉してこないヘビをレースに誘ったのかもしれません。トラやウマならもっと自分の能力を生かしたレース展開になったかもしれませんが、気が付けば二人はいなかったのでしょう。人を待つような気質ではないですから。というわけで、同じような性質を持つ二人で連れ立って走ったのでしょう。
忍者 純と武道家 技が実際の人間関係でどんな関係になるかは、私の中でデータがないので分からないのですが、想像するといい関係になりそうだなと思います。武道家 技は人間観察が得意なので、忍者 純の欲しい情報を持っていそうだし、依存体質の忍者 純も武道家 技の個人主義にいい距離を保てそうと思うのです。そう考えると似た部分もあるし、理解しあえる関係なのかもしれませんね。
申と酉と戌
じゅうの診断で言うと
武道家 貫 と 忍者 策 と 賢者 魅
干支レース9位10位11位のお三方。一緒に連れだってというより、関係上仕方なく一緒に走った感じでしょうか。まずは、もともと仲が良く一緒に走る約束をしていた、サルとイヌが喧嘩になり、トリが仲裁に入ったという記述があったり、もともと仲が悪く、レースが始まった時点から喧嘩状態だったという記述があったりで、真意は分かりません。とにかく、犬猿の仲という言葉はこのレースから生まれたというのは定説なので、イヌとサルは仲良くできないということでしょう。実際は武道家 貫と賢者 魅の仲は悪くないと感じています。むしろ賢者 魅のわがままに武道家 貫がせっせと世話を焼いているイメージがあります。イヌの可愛さには誰も叶わないということかもしれません・・・。残念ながら干支の物語で当てはまらない部分もあったようです。ただ、トリです。忍者 策は、人と人の調和を考えたり、自分が間に入って仲を取り持ったりと、そういう役割をしている場面を見かけます。忍者 策の方は全方向良しとするのがモットーでそのために奔走するので、干支のトリの役割を現代もやっているのかと思うほどです。
もし、武道家 貫と賢者 魅がもめていたら、忍者 策を呼んでくるといいかもしれません。ちなみに、桃太郎の物語のお供は干支の申酉戌だと言いますが、これは丑寅の方向が鬼門であり、申酉戌の方角が裏鬼門に当たるので、鬼門に対抗する裏鬼門の力を連れて行ったとされています。干支は方角も決めているので、色々なことに用いられていることが分かりますね。
寅と卯と亥
じゅうの診断で言うと
戦士 閃 と 賢者 巧 と 戦士 勝
このお三方は単独でレースに参加しました。トラは一番になるために、夜明けとともに出発し、ゴールまで駆け抜けました。ウサギは、他の動物が色々な出来事に足を取られる中、マイペースに進みました。イノシシは猪突猛進で神様のところを通り過ぎ、引き返したため12位でしたが、本当は1位でした。このお話で面白いのが、戦士で閃も勝も勝つ気満々だったところ。トラは3位に納得できず、とても悔しがっていたそうですし、イノシシもガチンコで前も見ずに走っていたら通り過ぎたのです。とても戦士らしいエピソードだと私は思いました。そして、単独主義であるというのもじゅうの診断との共通点です。戦士 閃 勝 賢者 巧ともに、一人行動が多く、一人でも比較的平気な性質を持っています。一緒にレースに参加したと言われていないこの3タイプが単独主義なのは、干支レースはそれぞれの性質をよく表している証拠にもなるのではないかと考えてしまいます。この3タイプは相性が良いと言えます。良い距離感さえ保てば、得意なことを担当し、効率よく物事を進めることができるでしょう。ただ、賢者 巧は平和主義なので、争い事にはしたくないのです。けんかっ早い戦士の激しい気性を感じると、そっと距離を置かれることでしょう。
辰と酉
忍者 純 と 忍者 策
干支のレースとは関係はありませんが、この二つの共通点は、「空を飛ぶことができる」けど飛ばないことです。干支レースではタツは飛んでいた説と飛ばなかった説が存在するようですが、私はタツの性質を考えると飛ばなかったのではと考えています。干支の話では、トリは必ずと言っていいほど、ニワトリで描かれていますが、ニワトリも飛ぼうと思えば家の屋根くらいまでなら飛ぶらしいのです。おそらく1階建てのおうちの想定で4メートルほどだと思われますが、十分です。干支の物語は人間の生活の傍にいた動物で描かれているので、一番傍にいるのがニワトリだったのでしょうね。その理論で行くと、タツは本当に異様な存在となってしまうのですが・・・。
じつはタツとトリは支合の関係で、相性が良いのです。飛べるけどあえて飛ばないところが、忍者のいいところだと私は思っています。本気を出せば、しっかり戦えるし、その準備もセンスもあるのに、戦わずして勝つのが忍者です。それは、何よりも調和を大切にしているからです。タツが本気を出せばだれも叶わないのは想像できるし、多くの策を練り、情報を新しく更新し続けるトリが戦略的に攻めてくれば、勝てるはずなのですが、とにかく争い事が好きではない。それに尽きます。空をいつでも飛べることができるのが、忍者の強みになることでしょう。